SharePoint Online とは?できることや導入するメリット・費用と使い方を徹底解説
現代のビジネス環境において、情報共有や協働作業の効率化は企業の競争力を左右する重要な要素となっています。テレワークやハイブリッドワークが一般的になった今、場所を問わずにチームメンバーと連携し、必要な情報にアクセスできる環境の構築が求められています。
そんな中で注目を集めているのが、Microsoft 社が提供するクラウドベースの情報共有プラットフォーム「SharePoint Online」です。
SharePoint Online は、単なるファイル共有ツールを超えた包括的なソリューションとして、多くの企業で導入が進んでいます。しかし、その豊富な機能や可能性について、まだ十分に理解されていない側面もあります。本記事では、SharePoint Online の基本的な概念から具体的な活用方法、導入時の注意点まで、導入を検討される企業担当者の方々に向けて詳しく解説いたします。
●この記事の目次
- SharePoint Online とは?
- SharePoint Online とその他のツールの違い
- SharePoint Online でできること
- SharePoint Online を導入する6つのメリット
- SharePoint Online を導入する2つのデメリット
- SharePoint Online の費用
- SharePoint Online の使い方
- SharePoint Online を導入する際の注意点
- SharePoint のお悩みならSGプラスへ
SharePoint Online とは?
SharePoint Online は、Microsoft 社が提供するクラウドベースの情報共有・協働プラットフォームです。
従来のファイルサーバーやグループウェアの概念を大きく進化させ、現代のビジネス環境に最適化された包括的なソリューションとして設計されています。単なるファイル保存場所ではなく、チームでの協働作業、組織の知識管理、業務プロセスの効率化を一元的に実現する統合プラットフォームとして機能します。
世界中の企業で幅広く導入されており、規模や業種を問わず活用できる柔軟性と拡張性を備えています。
SharePoint Online とその他のツールの違い
SharePoint Online を検討する際、よく比較されるのが OneDrive や Teams といった同じ Microsoft 製品のツールです。どのツールも似たような機能を持っているように見えますが、実際にはそれぞれ異なる目的で作られており、得意分野も大きく異なります。社内でどのツールを使うべきか迷ったり、複数のツールをどう使い分けたらよいか分からないという声もよく聞かれます。
これらの違いを正しく理解することで、自社に最適なツールを選択し、より効果的な活用方法を見つけることができます。
OneDrive との違い
OneDrive は個人向けのクラウドストレージサービスとして位置づけられており、主に個人のファイル保存と共有に特化しています。一方、SharePoint Online は組織全体での情報共有と協働に重点を置いたエンタープライズ向けソリューションです。
OneDrive では、個人のファイルを安全にクラウド上に保存し、必要に応じて他のユーザーと共有することができます。しかし、その共有機能は比較的シンプルで、大規模な組織での複雑な権限管理や構造化されたファイル管理には限界があります。
一方、SharePoint Online では、チームやプロジェクト単位でのサイト作成が可能で、各サイト内でより詳細な権限設定や複雑なワークフローの構築ができます。また、メタデータの管理やコンテンツタイプの定義など、企業レベルでの情報整理に必要な高度な機能を提供しています。さらに、SharePoint Online ではポータルサイトやイントラネットサイトの構築も可能で、組織全体の情報発信や知識共有の基盤として活用できる点が大きな違いです。
Teams との違い
Microsoft Teams はコミュニケーションツールとしての側面が強く、チャット、ビデオ会議、音声通話などのリアルタイムコミュニケーション機能が中心となっています。一方、SharePoint Online は情報の蓄積と整理、長期的な知識管理に重点を置いています。
Teams では、チームメンバー間でのカジュアルな会話から重要な会議まで、様々なコミュニケーションが行われます。ファイル共有機能も備えていますが、これは会話の流れの中でファイルを共有するためのものであり、構造化された情報管理には適していません。
SharePoint Online では、組織の知識やドキュメントを体系的に整理し、長期的に蓄積していくことができます。プロジェクトの成果物や企業のノウハウ、マニュアルなどを適切に分類・管理し、後から検索しやすい形で保存できます。また、承認プロセスやワークフローの自動化など、業務プロセスの効率化に関する機能も充実しています。
実際には、Teams と SharePoint Online は相互に連携して使用されることが多く、Teams でのコミュニケーションの結果として生まれた情報を SharePoint Online で体系的に管理するといった使い方が一般的です。
SharePoint Online でできること
SharePoint Online は多機能なプラットフォームとして、企業の様々なニーズに対応できる幅広い機能を提供しています。従来のファイル共有ツールの枠を超えて、組織全体のコラボレーション基盤として機能する包括的なソリューションです。
クラウドベースでありながら、オンプレミス環境に匹敵する高度な機能を備えており、中小企業から大企業まで、規模を問わず活用できる柔軟性を持っています。ここでは、特に重要な機能について詳しくご説明します。
インターネット上でいつでもどこでもファイルの編集や閲覧が可能
SharePoint Online の基本的な機能として、クラウド上でのファイル管理があります。従来のファイルサーバーとは異なり、インターネット接続があればいつでもどこからでもファイルにアクセスできます。この機能により、テレワークや出張先での作業効率が大幅に向上します。
特に注目すべきは、ブラウザ上での Office ファイル編集機能です。Word、Excel、PowerPoint などのファイルを、専用のアプリケーションをインストールすることなく、ブラウザ上で直接編集することができます。これにより、デバイスを問わずに作業を継続でき、外出先でのちょっとした修正作業も簡単に行えます。
また、モバイルアプリも提供されているため、スマートフォンやタブレットからでもファイルの確認や簡単な編集が可能です。ファイルのアップロードやダウンロードも直感的なドラッグアンドドロップ操作で行えるため、IT スキルに関わらず誰でも簡単に使用することができます。
リアルタイムな共同編集ができる
SharePoint Online の革新的な機能の一つが、リアルタイムでの共同編集機能です。複数のユーザーが同時に同じドキュメントを編集でき、変更内容がリアルタイムで他のユーザーに反映されます。この機能により、従来のようにファイルを順番に編集したり、複数のバージョンを統合したりする手間が不要となります。
共同編集中は、誰がどの部分を編集しているかが色分けで表示され、編集者の名前も確認できます。また、コメント機能を使用して、特定の箇所に対してフィードバックや質問を残すことも可能です。これにより、メールでのやり取りを減らし、ドキュメント内で直接コミュニケーションを取ることができます。
さらに、編集履歴が自動的に保存されるため、過去のバージョンに戻したり、特定の変更点を確認したりすることも簡単に行えます。この機能は、プロジェクトチームでの報告書作成や、企画書の共同作成などで特に威力を発揮し、作業効率の大幅な向上を実現します。
全文検索機能
SharePoint Online には強力な検索機能が搭載されており、蓄積された大量の情報の中から必要なコンテンツを素早く見つけることができます。単純なファイル名検索だけでなく、ファイル内のテキスト内容まで検索対象となるため、欲しい情報がどのファイルに含まれているかわからない場合でも、キーワードから該当するファイルを特定できます。
検索機能は高度にカスタマイズ可能で、ファイルの種類、作成者、更新日時、ファイルサイズなどの条件を組み合わせた詳細検索も行えます。また、よく使用する検索条件は保存しておくことができ、定期的な情報収集作業を効率化できます。
さらに、人工知能を活用した機能により、ユーザーが探している可能性の高いコンテンツを推奨表示する機能もあります。これにより、明確なキーワードが思い浮かばない場合でも、関連する情報を見つけやすくなります。組織の規模が大きくなり、蓄積される情報量が増加するにつれて、この検索機能の価値はますます高まります。
ワークフロー機能
SharePoint Online のワークフロー機能は、組織内での承認プロセスや業務手順を自動化し、効率化を図ることができる強力なツールです。従来は紙ベースや電子メールで行っていた承認作業を、システム上で一元管理できるようになります。
例えば、経費精算の承認プロセスを考えてみましょう。従来であれば、申請者が書類を作成し、直属の上司に提出、その後部門長、経理部門と順次承認を得る必要がありました。SharePoint Online のワークフロー機能を使用すれば、この一連のプロセスを自動化でき、承認者への通知、承認状況の追跡、期限管理なども自動的に行われます。
また、条件分岐を設定することで、金額に応じて承認ルートを変更したり、特定の条件を満たす場合は自動承認したりすることも可能です。ワークフロー機能は、文書管理だけでなく、プロジェクトの進捗管理や品質管理プロセスなど、様々な業務に応用できます。
これにより、業務の標準化と効率化を同時に実現し、人的ミスの削減にも貢献します。
Microsoft 製品との連携
SharePoint Online は Microsoft 365 エコシステムの一部として設計されているため、他の Microsoft 製品との連携が非常にスムーズです。この連携により、既存のツールを活用しながら、より高度な業務環境を構築できます。
Outlook との連携では、SharePoint 上のドキュメントライブラリやカレンダーを Outlook から直接アクセスできます。また、SharePoint 上でスケジュールされたタスクは、Outlook のタスク管理と同期され、個人のワークフローに組み込むことができます。Teams との連携では、各チームのチャンネルに対応するSharePoint サイトが自動的に作成され、ファイル共有やドキュメント管理がシームレスに行えます。
Power BI との連携により、SharePoint 上のデータを可視化し、ダッシュボードとして表示することも可能です。
さらに、Power Automate や Power Apps と組み合わせることで、より高度な業務自動化やカスタムアプリケーションの開発も実現できます。この包括的な連携により、組織全体の情報基盤を統一し業務効率の向上を図ることができます。
ポータルサイトの作成
SharePoint Online では、企業のイントラネットポータルサイトや部門サイトを簡単に作成・管理することができます。この機能により、組織内の情報発信や知識共有の基盤を構築できます。ポータルサイトには、企業のニュースやお知らせ、各部門の情報、よく使用するリンク集、企業の方針や規則などを掲載できます。
テンプレートが豊富に用意されているため、デザインスキルがなくても見栄えの良いサイトを作成できます。また、ページの編集権限を細かく設定できるため、情報の管理責任者を明確にしながら、適切な人が適切な情報を更新できる体制を構築できます。モダンな Web パーツ機能により、動的なコンテンツの表示や、外部システムとの連携も可能です。
例えば、営業成績のグラフをリアルタイムで表示したり、最新のブログ記事を自動的に取得して表示したりできます。さらに、多言語対応機能により、グローバル企業でも各地域に合わせた情報発信が可能です。
これらの機能により、組織の一体感醸成と情報の民主化を同時に実現できます。
SharePoint Online を導入する 6 つのメリット
SharePoint Online を導入すると、会社の業務が格段に効率的になります。インターネット上で動くサービスなので、社内にサーバーを設置する必要がなく、どこからでもアクセスできるのが大きな特徴です。
また、普段お使いの Word や Excel とも簡単に連携でき、慣れ親しんだ操作感で新しい機能を活用できます。
ここでは、SharePoint Online がもたらす特に重要な 6 つのメリットについて、分かりやすく解説します。
①迅速な情報共有
SharePoint Online を導入することで、組織内での情報共有速度が劇的に向上します。従来のメールベースでの情報共有では、添付ファイルの容量制限や、受信者の見落とし、情報の更新タイミングのずれなどの問題がありました。SharePoint Online では、中央集権的な情報管理により、これらの問題を解決できます。
新しい情報や更新されたドキュメントは、関係者に自動的に通知されます。また、RSS 機能やアラート機能により、特定のライブラリやリストに変更があった際に、関係者に即座に通知することができます。さらに、モバイルアプリとの連携により、外出先でも重要な情報をリアルタイムで受け取ることができます。
これにより、意思決定のスピードアップや、緊急時の迅速な対応が可能となります。情報の鮮度が重要なビジネス環境において、この迅速な情報共有機能は企業の競争力向上に直接的に貢献します。
②生産性向上
SharePoint Online の導入により、様々な業務プロセスが効率化され、組織全体の生産性向上を実現できます。自動化されたワークフローにより、承認プロセスの時間短縮や、定型業務の削減が可能となります。
例えば、会議資料の作成プロセスを考えてみましょう。従来は、各部門から資料を収集し、統合し、レビューを行い、修正を加えるという作業を、メールのやり取りで行っていました。SharePoint Online では、共通のワークスペースで直接編集作業を行い、コメント機能でフィードバックを交換し、バージョン管理機能で変更履歴を追跡できます。
これにより、作業時間の大幅な短縮と、品質の向上を同時に実現できます。
また、検索機能により、過去の類似資料やテンプレートを素早く見つけることができ、一から作成する手間を省けます。これらの効率化により、従業員はより創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになります。
③場所を問わないコミュニケーション
現代の働き方改革やテレワーク推進の流れの中で、場所を問わないコミュニケーション環境の重要性が高まっています。SharePoint Online は、この課題に対する理想的なソリューションを提供します。
クラウドベースのプラットフォームにより、オフィス、自宅、出張先、顧客先など、どこからでも同じ品質で業務を継続できます。また、時差がある海外拠点との連携においても、非同期でのコラボレーションが可能となります。
例えば、日本のチームが作業を終えた後、アメリカのチームが引き継いで作業を続け、その結果を翌朝日本のチームが確認するといった24時間体制での協働が実現できます。モバイル対応により、移動中や待ち時間などの隙間時間も有効活用でき、全体的な業務効率が向上します。さらに、アクセスログ機能により、いつ誰がどのファイルにアクセスしたかを追跡できるため、セキュリティを保ちながら柔軟な働き方を支援できます。
④ナレッジの蓄積
組織の知識やノウハウの蓄積は、企業の継続的な成長にとって極めて重要な要素です。SharePoint Online は、この組織的学習を促進する強力な基盤を提供します。
従来は個人のパソコンや部門の共有フォルダに散在していた知識やドキュメントを、組織全体で共有・活用できる形で一元管理できます。プロジェクトの成果物、問題解決の事例、ベストプラクティス、研修資料など、様々な形の知識を体系的に整理・保存できます。
また、メタデータやタグ機能により、コンテンツを分類・検索しやすくすることで、必要な時に必要な知識に素早くアクセスできます。さらに、Wiki 機能やディスカッション機能により、知識の共有と発展を促進できます。従業員の退職や異動によって貴重な知識が失われることを防ぎ、組織全体の知的資産を継続的に蓄積・活用することで、企業の競争力強化につながります。
⑤セキュリティ強度の高さ
SharePoint Online は、エンタープライズレベルのセキュリティ機能を提供し、企業の重要な情報資産を保護します。Microsoft 社が提供するクラウドサービスとして、世界トップクラスのセキュリティインフラストラクチャを活用できます。
多層防御アプローチにより、データの暗号化、アクセス制御、脅威検出、監査ログなど、包括的なセキュリティ対策が実装されています。アクセス権限は非常に細かく設定でき、ユーザー、グループ、ファイル、フォルダ単位での詳細な権限管理が可能です。また、多要素認証やシングルサインオンにより、不正アクセスのリスクを最小限に抑えることができます。
データ損失防止機能により、機密情報の外部流出を防ぎ、コンプライアンス要件への対応も支援します。さらに、定期的なセキュリティ更新やパッチ適用は自動的に行われるため、常に最新のセキュリティレベルを維持できます。これらの機能により、オンプレミス環境では実現困難な高レベルのセキュリティを、導入初日から享受できます。
⑥自動でバージョン管理可能
SharePoint Online の自動バージョン管理機能は、ドキュメントの変更履歴を自動的に追跡し、過去のバージョンへの復元や変更内容の比較を簡単に行えます。この機能により、従来手動で行っていたファイル名による版数管理や、複数の同名ファイルが混在する問題を解決できます。
各ファイルの変更時には、自動的に新しいバージョンが作成され、変更者、変更日時、変更内容のコメントが記録されます。必要に応じて、特定のバージョンを復元したり、異なるバージョン間の差分を表示したりすることができます。また、メジャーバージョンとマイナーバージョンの概念により、正式版と下書き版を分けて管理することも可能です。
承認ワークフローと組み合わせることで、承認されたバージョンのみを公開し、未承認の変更を隠すこともできます。さらに、バージョン数の上限設定により、古いバージョンを自動的に削除し、ストレージ容量を効率的に管理できます。これらの機能により、ドキュメントの品質管理と作業効率の向上を同時に実現できます。
SharePoint Online を導入する 2 つのデメリット
SharePoint Online は多くのメリットを提供する一方で、導入を検討する際に考慮すべきデメリットも存在します。
特に重要なのが、インターネット接続環境への依存度の高さと、カスタマイズ性の制限です。クラウドサービスの特性上、オフライン環境では十分な機能を活用できない場合があり、また、オンプレミス版と比較して細かなカスタマイズが困難な場合もあります。
これらの制限事項を事前に理解しておくことで、自社の業務環境や要件に適した導入判断を行うことができます。
①カスタマイズの自由度が制限されている
SharePoint Online は、クラウドサービスとしての安定性とセキュリティを確保するため、オンプレミス版のSharePointと比較してカスタマイズの自由度が制限されています。特に、サーバーレベルでの深いカスタマイズや、独自の開発言語を使用した複雑なカスタマイゼーションは行えません。
具体的には、カスタムの Web パーツやアプリケーションの開発において、使用できる技術やAPIに制限があります。また、サイトテンプレートのカスタマイズや、独自のマスターページの適用なども制限されています。
これにより、既存のオンプレミス環境で高度にカスタマイズされた SharePoint を使用している組織では、移行時に一部の機能を再構築する必要が生じる場合があります。ただし、Modern SharePoint ではSPFx(SharePoint Framework)という新しい開発フレームワークが提供されており、以前よりもカスタマイズの選択肢は広がっています。
また、Power Platform(Power Apps、Power Automate)との連携により、多くのカスタマイズ要件を満たすことが可能です。導入前には、現在の業務要件と SharePoint Online の標準機能との整合性を十分に検証することが重要です。
②詳細なアクセス解析は難しい
SharePoint Online では基本的なアクセス統計は提供されますが、詳細な Web アクセス解析や高度な利用状況分析を行うことは困難です。Google Analytics のような詳細なアクセス解析ツールと比較すると、取得できる情報の種類や深度に制限があります。
標準で提供される分析機能では、ページビュー数、ユニークユーザー数、人気のあるコンテンツなどの基本的な情報は確認できますが、ユーザーの行動パターンの詳細分析、コンバージョン追跡、A / B テストなどの高度な機能は利用できません。また、リアルタイムでの詳細なアクセス状況監視も制限されています。
これは、マーケティング活動の効果測定や、コンテンツ戦略の最適化を重視する組織にとっては制限となる可能性があります。ただし、Microsoft Viva Insights などの追加サービスを活用することで、より詳細な利用状況分析を行うことは可能です。
また、Power BI との連携により、限られたデータであってもより視覚的で理解しやすい形でのレポーティングは実現できます。詳細なアクセス解析が必要な場合は、サードパーティのソリューションとの組み合わせを検討することも一つの選択肢です。
SharePoint Online の費用
SharePoint Online の導入を検討する際、費用体系を正しく理解することは重要な判断材料となります。Microsoft は複数の料金プランを提供しており、組織の規模や要件に応じて最適なプランを選択できます。
単体での契約から Microsoft 365 スイートの一部としての契約まで、様々な選択肢があり、それぞれ異なる機能レベルと価格設定となっています。導入前には、現在の業務要件と将来の拡張計画を考慮して、最適なプランを選択することが重要です。
※参考サイト:Microsoft 公式サイト|SharePoint Online のオプションの比較
SharePoint Online の使い方
SharePoint Online を効果的に活用するためには、基本的な操作方法を理解することが重要です。直感的なユーザーインターフェースにより、IT スキルに関わらず誰でも簡単に使い始めることができますが、豊富な機能を最大限に活用するためには、適切な使い方を習得する必要があります。
ここでは、日常的に使用する主要な機能の具体的な使い方について、実践的な観点から解説いたします。
ファイルアップロード
SharePoint Online でのファイルアップロードは、直感的で簡単な操作で行うことができます。最も基本的な方法は、ドラッグアンドドロップ機能を使用することです。ファイルエクスプローラーからSharePoint のドキュメントライブラリに直接ファイルをドラッグするだけで、アップロードが完了します。
複数のファイルを同時にアップロードする場合も、複数選択したファイルをまとめてドラッグアンドドロップすることで一括処理が可能です。また、「アップロード」ボタンを使用して、ファイル選択ダイアログからファイルを選択してアップロードすることもできます。
大容量のファイルや多数のファイルをアップロードする場合は、OneDrive 同期クライアントを使用することで、より効率的にファイル管理を行うことができます。アップロード時には、ファイル名の重複チェックが自動的に行われ、同名ファイルが存在する場合は、上書き、リネーム、バージョン管理などの選択肢が提示されます。アップロード完了後は、自動的にメタデータの入力画面が表示される場合があり、ファイルの分類や検索性の向上に役立てることができます。
ファイル共有
SharePoint Online でのファイル共有は、柔軟で安全な方法で行うことができます。ファイルやフォルダを共有するには、対象のアイテムを選択して「共有」ボタンをクリックします。共有相手のメールアドレスを入力し、アクセス権限(表示のみ、編集可能など)を設定することで、簡単に共有設定が完了します。
共有リンクの作成により、特定のファイルへの直接アクセス URL を生成することも可能です。このリンクには有効期限を設定したり、パスワード保護を設定したりすることで、セキュリティを強化できます。また、組織内のメンバーのみに共有を限定したり、匿名でのアクセスを許可したりといった、詳細な権限設定も行えます。
外部の顧客やパートナーとファイルを共有する場合は、ゲストアクセス機能を使用することで、組織外のユーザーにも安全にアクセスを提供できます。共有されたファイルは、受信者の「共有アイテム」ビューに表示され、簡単にアクセスできるようになります。さらに、共有状況は随時確認・変更でき、必要に応じて共有を停止することも可能です。
ポータルサイトの作成
SharePoint Online でポータルサイトを作成することで、組織の情報発信基盤を構築できます。新しいサイトを作成するには、SharePoint のホーム画面から「サイトの作成」を選択し、チームサイトまたはコミュニケーションサイトのテンプレートを選択します。コミュニケーションサイトは、組織全体への情報発信に適しており、ポータルサイト構築に最適です。
サイト作成後は、豊富な Web パーツを使用してページをカスタマイズできます。ニュース Web パーツで最新情報を表示したり、ドキュメントライブラリ Web パーツで重要な文書へのアクセスを提供したり、リンク Web パーツで関連サイトへの導線を作成したりできます。ページのレイアウトは、セクションとカラムを使用して柔軟に調整でき、レスポンシブデザインにより、デスクトップ、タブレット、スマートフォンなど、様々なデバイスで最適な表示が可能です。
ナビゲーションメニューをカスタマイズすることで、サイト内の情報に効率的にアクセスできる構造を作成できます。また、権限管理により、コンテンツの編集者と閲覧者を適切に分けることで、情報の品質を保ちながら運用できます。
OneDrive とのデータ連携
SharePoint Online と OneDrive の連携により、個人のファイル管理とチームでの協働作業をシームレスに行うことができます。OneDrive に保存されている個人のファイルを、必要に応じて SharePoint のチームサイトに移動したり、コピーしたりすることが簡単にできます。
OneDrive 同期クライアントを使用することで、SharePoint のドキュメントライブラリをローカルフォルダとして同期し、オフライン環境でも作業を継続できます。同期されたファイルは、インターネット接続が復旧した際に自動的にクラウドと同期されます。また、「共有ライブラリ」機能により、複数のSharePoint サイトのドキュメントライブラリを一元的に管理することも可能です。
ファイルの移動や共有設定の変更も、OneDrive と SharePoint 間で統一されたインターフェースで行えるため、ユーザーの学習コストを最小限に抑えながら、効率的なファイル管理を実現できます。さらに、バージョン履歴や共有状況も両プラットフォーム間で連携されるため、一貫した情報管理が可能です。
SharePoint Online を導入する際の注意点
SharePoint Online の導入を成功させるためには、事前に把握しておくべき重要な注意点があります。適切な計画なしに導入を進めると、期待した効果が得られなかったり、運用上の問題が発生したりする可能性があります。また、既存システムとの連携や、ユーザーの習熟度、セキュリティ要件なども十分に考慮する必要があります。
これらのポイントを理解し、適切な対策を講じることで、スムーズな導入と効果的な活用を実現できます。
単体で契約した場合には機能が限られる
SharePoint Online を単体プランで契約する場合、Microsoft 365 スイートと比較して利用できる機能に制限があることを理解しておくことが重要です。特に、Microsoft Office アプリケーションとの連携機能や、Teams、Power Platform などとの統合機能において、制限が生じる場合があります。
単体プランでは、ブラウザ版の Office アプリケーションは利用できますが、デスクトップ版の高度な機能を活用したファイル編集は制限されます。また、Teams との深い統合や、Power Automate や Power Apps との連携機能も、プランによっては利用できない場合があります。
さらに、高度なセキュリティ機能やコンプライアンス機能、分析機能なども、上位プランでのみ提供される場合があります。導入前には、組織の具体的な業務要件を詳細に分析し、必要な機能がすべて含まれているプランを選択することが重要です。将来的な拡張性も考慮し、段階的にプランをアップグレードすることも検討しておくべきです。
また、ユーザートレーニングの際には、利用可能な機能の範囲を明確に伝えることで、期待値の調整を行うことも重要です。
テスト移行を行う
SharePoint Online の本格導入前には、必ずテスト移行を実施することを強く推奨します。テスト環境での検証により、実際の業務での適用可能性を確認し、潜在的な問題を事前に発見・解決できます。
テスト移行では、代表的なユーザーグループを選定し、実際の業務データを使用して SharePoint Online の機能を検証します。既存システムからのデータ移行プロセス、ユーザーの操作性、パフォーマンス、他システムとの連携などを総合的に評価します。特に、既存のファイルサーバーやグループウェアから大量のデータを移行する場合は、移行時間、データの整合性、権限設定の継承などを詳細に検証する必要があります。
また、ユーザーのフィードバックを収集し、操作方法の改善点やトレーニングの必要性を特定します。テスト期間中に発見された課題は、本格導入前に解決策を準備し、必要に応じて運用方法の調整やカスタマイズを実施します。
テスト移行の結果を踏まえて、段階的な導入計画を策定し、リスクを最小限に抑えながら全社展開を進めることが成功の鍵となります。
情報セキュリティ管理者による確認や社員への啓発を行う
SharePoint Online の導入にあたっては、組織のセキュリティポリシーとの整合性を確保し、従業員のセキュリティ意識向上を図ることが不可欠です。情報セキュリティ管理者による包括的な確認作業と、全社員への適切な啓発活動を実施する必要があります。
セキュリティ管理者は、SharePoint Online のセキュリティ設定が組織のポリシーに適合しているかを詳細に確認します。アクセス権限の設定方法、データの暗号化レベル、監査ログの取得方法、外部共有の制限設定、データ損失防止機能の設定などを検証し、必要に応じて調整を行います。また、コンプライアンス要件への対応状況も確認し、業界固有の規制や法的要件を満たしているかを検証します。
従業員への啓発活動では、適切なパスワード管理、二要素認証の重要性、外部共有時の注意点、フィッシング攻撃への対策、機密情報の取り扱い方法などについて、具体的な教育を実施します。
定期的なセキュリティ研修の実施や、セキュリティインシデント発生時の対応手順の周知も重要です。さらに、SharePoint Online 固有のセキュリティ機能の使い方や、安全な共有方法についても実践的なトレーニングを提供し、従業員一人ひとりがセキュリティ意識を持って活用できる環境を整備します。
SharePoint のお悩みならSGプラスへ
SharePoint Online は、現代の企業が直面する情報共有や協働作業の課題に対して、包括的なソリューションを提供するクラウドベースのプラットフォームで、組織の知識管理、業務プロセスの自動化、コラボレーションの促進、そして企業文化の変革まで支援する強力なツールとなっています。
SGプラスでは、SharePoint Online の導入から運用サポートまで、企業の課題に応じた最適なソリューションを提供しています。豊富な導入実績と深い技術知識を持つ専門家チームが、お客様の業務特性を理解した上で、最適な設計・構築・運用を支援いたします。
SharePoint Online の導入をご検討の際は、ぜひ株式会社SGプラスまでお気軽にご相談ください。
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