ビジネスにおいて情報の管理と共有は業務効率に直結する重要な要素です。Microsoft 365を活用している企業の多くが、SharePointのリスト機能を使ってチーム内での情報共有や業務管理を効率化しています。
SharePointのリストは、Excelのような表形式でデータを管理しながら、複数人でのリアルタイム編集、バージョン管理、アクセス権限設定など、企業が求める高度な機能を備えています。
本記事では、SharePointのリスト機能の概要から具体的な作成方法4選を詳しく解説します。
●この記事の目次
SharePointは、Microsoft 365に含まれるファイル共有・情報管理プラットフォームです。
チーム内でのコラボレーション機能に優れ、ファイル共有だけでなく、リストやライブラリを使った情報管理、社内ポータルサイトの構築まで幅広い用途で活用できます。企業の業務効率化とデジタル化を支援する包括的なソリューションとして、多くの組織で導入されています。
特に中小企業から大企業まで、業種や規模を問わず活用されており、テレワークの普及により需要が急速に高まっています。クラウドベースのサービスのため、場所や時間を選ばずアクセスでき、セキュリティ面でも企業レベルの堅牢性を備えています。
SharePointのリストとは、簡易的なデータベース機能を指し、Excelのようにデータを表に格納して管理することができます。オンライン上でデータの閲覧・編集はもちろん、複数人でファイルの情報の共有が可能です。リストはデータの管理を行うためのコンテンツです。
リストは「表」として表現することができます。例えば、個人情報を扱う場合、氏名や年齢、出身地などの項目を「列」として設定し、それに対応する内容を「行」として入力します。
リストに入力できるデータは、テキストだけでなくチェックボックスなど、形式を指定することが可能で、あらゆるビジネスシーンに対応できる柔軟性を備えています。
SharePointのリストを構成する要素は以下の4つです。
行(アイテム)
リストを構成する基本的な要素です。横並びのデータで、1項目ずつ列の内容が入力されています。
個人情報を例に挙げると、「田中太郎」「30歳」「東京都」「会社員」など、1人あたりの情報が「行」となります。Excelなら番号が振られている横一列のラインが「行」にあたります。SharePointではアイテムともいわれます。
列
列もリストを構成する要素となります。表であれば縦のデータにあたる、項目の部分です。「行」と同様に個人情報を例にすると「氏名」「年齢」「住所」「職業」などの項目が「列」に相当します。
ビュー
リストの表示形式を管理する機能で、リストを「ビュー」という単位で名前をつけて保存することで、自由にデータの表示を変更することができるようになります。
フォーム
データの入力・編集を行うためのインターフェースで、アイテムの詳細情報を表示・編集する際に使用されます。
ライブラリとは、ファイルを管理するためのコンテンツです。ファイルに対してアクセス権を細かく設定できます。また、ライブラリ内にさらにフォルダを作成し、ファイルをわかりやすく管理できます。複数のファイルやバージョン管理をするのならライブラリが向いています。
ライブラリはファイルを管理するための機能となるのに対して、リストはデータそのものを管理するための機能となります。
目的に応じた適切な選択により、より効率的な情報管理が実現できます。
Excelは「表計算ソフト」という名の通り、「関数を用いた計算」や「データの集計・分析」「グラフ作成」などを得意とします。一方で、SharePointリストは「データの蓄積・管理」や「チーム内での共有・共同作業」に強みを持ちます。
ExcelとSharePointのリストとの主な違いは、複数人での同時編集がリアルタイムにできるかどうかです。また、SharePointリストでは「行単位での細かい設定」が可能であり、行単位でファイル添付やアクセス権の設定、バージョン管理などが行えます。
さらに、SharePointリストはクラウド上に保存されるため、場所や端末を選ばずアクセスでき、データの消失リスクも大幅に軽減されます。企業での利用においては、セキュリティ面でもSharePointリストの方が優位性があります。
Microsoft Listsがリリースされたのは2020年9月です。もともとはSharePointにあった「リスト」という機能でしたが、これに直観的なインターフェースを追加し、多数の用途別テンプレートを用意するなど、より高度なリストをコーディングなしに実装できるようパワーアップしています。
SharePointリストはあくまでもサイト内の1つの機能であるため、リストにアクセスしたり、リストを作成したりするには「サイト」を意識する必要があります。
一方のMicrosoft ListsはSharePointサイトをあまり意識させません。たとえば、Microsoft 365のListsアプリを利用すれば、いきなり「リスト」が作成できます。SharePointリストと混合した表記をされることがよくありますが、本質的には同じものです。
ただし、UI要素が異なるため、操作時は注意が必要です。
SharePointリストは単なるデータ管理ツールを超えた多彩な機能を備えており、ビジネスの様々なシーンで活用できます。従来のExcelによるデータ管理と比較して、リアルタイムでの共同作業、アクセス権限の細かい制御、自動バックアップ機能など、企業が求める高度な機能を標準で搭載しています。
また、他のMicrosoft 365サービスとの連携により、単体では実現できない強力なワークフローの構築も可能です。
SharePointではさまざまな書式で項目を設定できます。一行入力のみの「テキスト」や固定の項目をユーザーに選ばせる「選択肢」、YesかNoをチェックボックスで入力させることも可能で、さまざまな情報を扱うことができます。SharePoint Onlineでは、さまざまな書式を使用してリストを作成できます。
テキスト、数値、はいorいいえなどの選択、日付などから選べるため、あらゆる場面に対応可能です。例えば、プロジェクト管理では進捗率を数値で、完了状況をはい/いいえで、期限を日付形式で設定することが可能です。
さらに、ファイル添付機能により、関連資料を直接リストに添付でき、一元的な情報管理が実現できます。
また、ハイパーリンク形式での外部サイトへの参照設定も可能で、関連情報への迅速なアクセスが可能になります。
SharePointリストの機能として、「ビュー」を利用した表示設定の編集があります。リストを「ビュー」という単位で名前をつけて保存することで、自由にデータの表示を変更することができるようになります。この機能により、同じデータでも部署や役職に応じて異なる表示形式を提供でき、情報の見やすさと業務効率の向上が実現できます。
また、個人設定により各ユーザーが自分専用のビューを作成することも可能で、個人の作業スタイルに合わせたカスタマイズができます。さらに、条件付き書式設定により、重要度や期限に応じた色分け表示も可能で、視覚的な情報把握が容易になります。
部内全員が閲覧できるリストがある場合、不要な列を非表示にすると業務に支障が出てしまいます。ビューを利用することで、任意の列に絞ったリストを見せることが可能です。
例えば、人事部では全社員情報を管理しているリストから、営業部には営業担当者の情報のみを表示するビューを作成し、経理部には給与関連情報を含むビューを別途提供するといった使い分けができます。
ビューでは列の非表示だけでなく列の並び替えも行えます。データを見やすい形にできる上、元のリストには影響しません。
複数人数でリストに情報を追加したり、内容を変更したりしていると情報が雑多になりやすいものです。SharePoint Onlineは、リスト内の並び替えもでき、効率よくデータを扱えます
ビューでは特定のデータだけ表示させられるフィルターも適用できるため、表示を柔軟にカスタマイズ可能です。もちろん、元のリストには影響しないため見せたい情報だけを共有できます。
緊急度の高いタスクのみを表示するフィルターや、特定の部署の案件のみを抽出するフィルターなど、業務に応じた条件設定により、必要な情報への迅速なアクセスが可能になります。
SharePointリストはデータ連携、アプリ連携しやすいです。SharePointリストのデータは構造化されているため、データ連携やアプリ連携がしやすいです。例えば、Power Appsで作成したアプリのデータソースとして上記のようなリストを利用する場合、アプリを介して休暇申請を行うとデータが一行追加される、アプリを介して新規問い合わせをするとデータが一行追加される、といった連携が可能です。
SharePoint Onlineを利用している場合、SharePointリストもクラウド上に存在することになります。この観点でもデータ、アプリ連携等がしやすいです。SharePointリストのデータは、Power BIというデータの可視化、レポートの作成が得意なサービスからももちろん接続可能で、自動で更新をすることが可能です。
API経由でのデータアクセスも可能なため、外部システムとの連携も容易に実現できます。
SharePoint のリストを作成する 4 つの方法
SharePointは、Microsoft 365に含まれるファイル共有・情報管理プラットフォームです。
チーム内でのコラボレーション機能に優れ、ファイル共有だけでなく、リストやライブラリを使った情報管理、社内ポータルサイトの構築まで幅広い用途で活用できます。企業の業務効率化とデジタル化を支援する包括的なソリューションとして、多くの組織で導入されています。
特に中小企業から大企業まで、業種や規模を問わず活用されており、テレワークの普及により需要が急速に高まっています。クラウドベースのサービスのため、場所や時間を選ばずアクセスでき、セキュリティ面でも企業レベルの堅牢性を備えています。
既存のリストからリストを作成する方法についてご説明します。
リストを作成する時は、トップページの上部のメニューから「新規(図中①)」と書かれた場所をクリックします。表示されるメニューから、「リスト(図中②)」をクリックします。
今回は「既存のリストから(図中③)」をクリックします。
「チームまたはサイトを選択(図中④)」と書かれた下にサイトの一覧が表示されるので、コピー元のリストがあるサイトを選択します。「リストを選択(図中⑤)」と書かれた下にリストの一覧が表示されるので、コピー元のリストを選択して、次へボタン(図中⑥)をクリックします。
「名前」の下(図中⑦)にコピー元のリスト名が表示されるので変更します。「説明」の下(図中⑧)にリストの説明を設定できますが、必須項目ではないので空欄でも構いません。「サイトナビゲーションに表示(図中⑨)」の左にチェックが入っていると、サイトナビゲーションに作成したリストへのリンクが設定されますが、ここではチェックを外します。
作成ボタン(図中⑩)をクリックするとコピー元のリストと同じ項目が設定されたリストが作成されます。
Excel からリストを作成する方法についてご説明します。
Excel からリストを作成するためには、事前にテーブル設定されているExcelを準備します。ここでは、「カテゴリ(図中①)」「質問(図中②)」「答え(図中③)」という項目が設定された Excel を準備しました。
リストを作成する時は、トップページの上部のメニューから「新規(図中④)」と書かれた場所をクリックします。表示されるメニューから、「リスト(図中⑤)」をクリックします。
今回は「Excel から(図中⑥)」をクリックします。
「ファイルのアップロード(図中⑦)」と書かれたボタンをクリックします。
事前に準備した Excel を選択して、開くボタン(図中⑧)をクリックします。
列の種類が自動で設定されるの、正しくない場合はクリックして変更します。まず、リストに必ず設定しなければいけない「タイトル(図中⑨)」を正しく設定します。
次に、列の種類が正しくない箇所を変更します。ここで設定できる列の種類は、「1行テキスト(図中⑩)」「複数行テキスト(図中⑪)」「選択肢(図中⑫)」の3種類しかないため、その他の列の種類を設定したい場合は、リスト作成後に変更してください。また、不要な項目は「インポートしない(図中⑬)」を選択します。設定が完了したら次へボタン(図中⑭)をクリックします。
「名前」の下(図中⑮)にExcelのファイル名が表示されるので、設定したいリスト名にあわせて変更します。「説明」の下(図中⑯)にリストの説明を設定できますが、必須項目ではないので空欄でも構いません。「サイトナビゲーションに表示(図中⑰)」の左にチェックが入っていると、サイトナビゲーションに作成したリストへのリンクが設定されますが、ここではチェックを外します。作成ボタン(図中⑱)をクリックすると作成元のExcelと同じ項目が設定されたリストが作成されます。
列の種類を「選択肢」に設定した場合、選択肢が登録されないため設定が必要です。列のタイトルをクリックすると表示されるリストから「列の設定(図中⑲)」にマウスカーソルを合わせ、「編集(図中⑳)」をクリックします。
「選択肢」の下に何も入っていないため、「選択肢を追加(図中㉑)」と書かれた場所をクリックして、選択肢を追加します。
また、種類を変更したい場合は「種類」の下(図中㉒)をクリックして、設定します。
CSV からリストを作成する方法についてご説明します。
CSV からリストを作成するためには、事前に CSV を準備します。ここでは、「カテゴリ(図中①)」「質問(図中②)」「答え(図中③)」という項目が設定された CSV を準備しました。
リストを作成する時は、トップページの上部のメニューから「新規(図中④)」と書かれた場所をクリックします。表示されるメニューから、「リスト(図中⑤)」をクリックします。
今回は「CSVから(図中⑥)」をクリックします。
「ファイルのアップロード(図中⑦)」と書かれたボタンをクリックします。
事前に準備した CSV を選択して、開くボタン(図中⑧)をクリックします。
以降の手順は Excel から作成する時と同様のため、割愛します。
テンプレートからリストを作成する方法についてご説明します。
リストを作成する時は、トップページの上部のメニューから「新規(図中①)」と書かれた場所をクリックします。表示されるメニューから、「リスト(図中②)」をクリックします。
テンプレートの下には案件管理をはじめ、10 種類以上のテンプレートが準備されています。これはそれぞれの業務で必要な項目をマイクロソフトが準備したものです。テンプレートがあると、0 から項目を考えるより簡単な場合があるので、活用してください。
今回は、テンプレートの「案件管理(図中③)」をクリックします。
定義されている項目やデータのイメージが表示されるので、項目イメージが近ければ、「テンプレートを使用(図中④)」をクリックします。
「名前」の下(図中⑤)にテンプレート名が表示されるので、設定したいリスト名にあわせて変更します。「説明」の下(図中⑥)にリストの説明を設定できますが、必須項目ではないので空欄でも構いません。「サイトナビゲーションに表示(図中⑦)」の左にチェックが入っていると、サイトナビゲーションに作成したリストへのリンクが設定されますが、ここではチェックを外します。作成ボタン(図中⑧)をクリックするとリストが作成されます。あくまでもテンプレートのため、項目が合わないことがあるので、業務に合わせて変更してください。
SharePoint のリストとは、オンラインで複数人での編集が可能な、Excel によく似た機能です。
Excel は個人編集には最適ですが リストは複数人での編集に適していると言えます。バージョン管理機能や、編集履歴の記録が残るため、管理しやすいうえにフィルターや並べ替えなどの編集も可能。書式の設定まで出来ます。また、書式はテンプレートの他にカスタムすることができるので、目的に応じて見やすく使いやすいリストを作ることが可能です。
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